しばらくして、懐中電灯を持った係員に誘導されながらロビーへ出た。



「詩織、大丈夫だったか?」


宏太君が駆け寄ってくる。


「うん…平気…」





凌ちゃんは……



ロビーに出た途端、何事もなかったかのような顔であたしから自然に離れた。