アイソメ理論のレビュー一覧
5.0
また、ここに帰ってきた。何回帰ってきても、変わらない風景がただただかなしい。
――わたしたちの、ふるさと
国に捨てられたから、捨ててやった。生きるしかない、死ぬにはまだ無知すぎるから。それなのに。
そばにいる、ずっと隣にいるキサで染めることしか知らない。いつの間にかずっとそうだから。その術しか知らない。
また、鎖が呼ぶんだろう。
それまで、また埋め尽くして。
読後にきゅう、と心臓が鳴りました。世界観が特に出色していて、生きること、ふるさとなどの言葉のひとつひとつが巧みでどうにもならないほど訴えてくる想いに作者さまの力量を感じました。
ぜひご一読くださいませ。お題の使い方、雰囲気、本当に素敵でした、ありがとうございました!
突き抜けるような足の冷たさも、いつやってくるかわからない爆撃も、会いたい人がいないこの町も
全てが寂しく、全てが哀しい。
でもね、君がそれら全てを染めてくれたから。
目の前にある悲しい現実も、この雪さえも、…それはもう、見えなくなってしまうくらいに、君の色で溢れているから。
寂しい、町。
哀しい、町。
だけど、とても
愛おしい、町。
現実も雪も、全てを君色に染めて。
**
すとん、と。
冒頭の文から一気に物語に吸い込まれてしまいました。
悲しくて、だけれど、愛おしい。現実から切り離された独特な世界間に、あなたもどっぷり浸ってしまうはず。
大切な人の存在を、思い出さずにはいられない作品。ぜひご一読を。
あたしを乗せる広い背中は
暖かくて、落ち着けて、たまに泣けてくる。
無愛想なのに 優しくて
ずっと変わらないんだ。
狭くなったベッドで触れるきみのからだが、唇が。
どうしようもなく、愛しくて。
分厚い純白の雪でさえ、あたしにはあなたに染まってるの。
「雪が、きみの色になる」
声にでた、あたしの詩。
いつまでだって、あなたに埋めつくされる。
かなしくて、かなしくて ずるくて 愛しい。
この国に一年後また帰る。
あなたに染まった思い出がある限りー…
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
作品の世界観に引き込まれて、
切なくて苦しくて だけど暖かくて。
そんな気持ちになりました。
一つ一つの描写も繊細でとても素敵で
心にストンと落ちる感じがしました。
オススメです、ぜひご一読を。
そして最後に、企画お世話になりました!そしてお疲れ様でした。
し自分たちが生まれた街は
ひどく、かなしくてさみしい
だけどきみは言うね
「この街は宝物だ」って…。
そんなきみの優しさに
わたしは何度助けられただろう。
*
アイソメ理論。
タイトルからも深いものを感じます。
必死に生きる二人。
頼もしい彼と生き、こんな辛いなかでも、彼女は幸せだったでしょう。
二人が支え合いながら生きている背景に、白い純白の雪があること。
情景が自然とイメージされるお話でした。
KIMORIが主催の企画。
とても素晴らしい作品ばかりで感服してます。
素敵な作品をありがとうございます(^^)!