外国育ちのお嬢様は硬派がお好き


やっぱ、同じ穴の狢だな。

私の脳の奥底から「記憶の箱の番人」の声が聞こえた。

風がやっと北島さんのところにたどり着いたのか、

空気が変わったことに気付きこっちを向いた。

濡れた髪を初めて見せた夜の北島さんは、とてもセクシーだと、

不覚にも思ってしまった。

髪をオールバックにして、びっくりした表情で私を確認し、

ゆったりとした手つきでヘッドフォンを外した。