「あのな、かすみは高鍋の彼女だぞ」
「は?」
「は?じゃねぇよ、で、なんで俺の女になってんの?あれか、
また勝手に考え込んだか?」
勝手にって!!
彼女じゃないの?だったらなんなの?
あの旅館で言ってたこととかって、なんなわけ?
愛してるって、誰にでも言えちゃうわけ?
「だって、京都行ったときだって夜中に・・」口を抑えた。
「・・・あ・・・ぁ、だからお前あんな夜中・・・
ってか朝方に風呂に入りに行くというおかしな行動をとったのか」
「部屋に戻ってきたら・・・祐哉・・・愛してるって
言ってたし・・・」
それはいったいぜんたいどういう意味よ。
「盗み聞きしたの?」困った顔になってる。
「ちがっ!たまたま聞こえちゃったの!」訂正した。
ここはしっかり訂正しないといけないとこ!
車の中だってそうだったじゃん!
「帰りの車の中のあの変な行動もそれかよ」
繋がったとばかりに背もたれに全体重を預ける。
「で、極めつけが上のバーか」
「だってそう思うじゃん。
夜中にずーっと電話してきてたら普通友だちとかそんなのあり得ないじゃん。
やっぱりこう、特別かななんて思っちゃうじゃん!」
「お前ちゃんとよく見ろよ」
「見てるよ」
「見てねーだろうが、レーシックでも受けてこいよ」
「ひっど!」
「俺の目を見ろ」
妖しく輝いている漆黒な瞳です。
その前にドキドキします。やめてください。
と、念じる。

