壬生寺の境内に立つ人影。 それは、思ったとおり睦月だった。 睦月は、ジィーっと空を見つめている。 声をかけようと思ったが、空に何があるのか気になり、僕も空を見上げる。 『ドォォォンっ!』 その大きな音と共に、空に鮮やかな花が咲いた。 「花火か・・・」 久しく見ていない、花火に感動を覚えた。