この人が山崎丞・・・本物の忍びみたいだな。 わたしにはこの人の気配が分かったけど、並大抵の人には分からないだろう。 「監察方の山崎です。以後お見知りおきを」 よく通る声。しかもここの人達には珍しく、礼儀正しい。 「睦月鈴です。よろしくお願いします」 そんな山崎さんにつられて挨拶を返すわたし。 でも・・・こんな澄んだ目で見られると・・・ 自分の境遇が、自分自身が憎くなる。