私がそう思って、もう1度遥斗くんに“帰ろう?”と、声をかけようとした時、 「桜庭!また明日な!」 不意に、クラスメートの男子が私にそう声をかけて通りすぎていった。 「あ、うん、また明日ね」 私も反射的にその男子に向かって手をふり、挨拶をかえす。 すると、 「…今の誰だよ?」 イライラを隠しきれないような低い声で遥斗くんが問いかけてきた。