「…優芽」





亜衣子ちゃんが静かにそう呟く声がグランドに響く。






私が遥斗くんの名前を呼んだ時、



一瞬、ほんの一瞬だけだけど、






涼太の動きが鈍った。





けど、





遥斗くんは、その瞬間を見逃さなかったんだ―…。






あっという間に涼太を抜き去り、




シュッ






シュートを決める。