「…なっ、何で遥斗くんにそんなこと言われなきゃいけないのよっ、私は、ただ本を返しにきただけ!」 今まで遥斗くんにそんな発言なんかしたことない私。 でも、今の言い方には少しカチンときた。 「あ、あの…遥斗くん、私、帰るね…?」 さっきまで遥斗くんとキスをしていた女の子が気まずそうにそう呟くと、いそいそと図書室を出ていく姿が目に入る。 パタパタと足音をならして去っていく女の子。 そして、図書室には、私と遥斗くんが残された。