「朱莉、もう帰らねぇ? 送るし」 仁美が帰ってしまった教室。 見渡せば、残ってるのはあたしと山岸だけだった。 山岸だって帰ればいいのに。 どうやらあたしを気にして残ってるみたいだった。 「山岸帰ればいいじゃん。 っていうか、さっき女子にカラオケ誘われてなかった? 早く行きなよ」 山岸の人のいいところは嫌いじゃない。 あたしはあまり素直じゃないから、こういう風に素直に人を心配できるのは羨ましい。 だけど、今ばっかりはひとりでいたくて、山岸のお人好しが少しうっとうしくも感じる。