でもやっぱり気になってチラチラ盗み見ていたら、イケメン君が「痛てぇ……」とつぶやきながら立ち上がった。


どうやら転んだ場所が悪かったのか、彼の制服がドロだらけになっている。


あぁ、さすがにこれはもう、黙って見ていられない!


「大丈夫⁉︎」


あたしはイケメン君のもとへ駆け寄った。


いきなり目の前に現れた女の子に驚いたのか、イケメン君が目を丸くしてあたしの顔を凝視している。


真正面から間近で見るその顔は、両目を見開いているせいか、目鼻立ちが際立って華やかに見えた。


……彫刻みたいに綺麗な顔だなぁ。こんなに整った顔で生まれてくる幸運な人間もいるんだなぁ。


「あぁ、ありがとう。俺、カッコ悪りぃな」


イケメン君は、気まずそうに片手で前髪をガシガシ掻いた。


そんなワイルドな仕草と、片眉を下げた表情が妙に似合ってる。さすがイケメン。