どんより気分のまま、月曜日。

そんな私の心を表わすような、どんよりとした空の下、私はいつものように学校へと向かう。


「おっはよー」
「…みっちゃん。おはよ」
「なーに! 暗いなぁ。確かにこの天気じゃダルくもなるけどさ!」


いつものノリのみっちゃんに、微笑を浮かべる。


「はよ」


その時後ろから短い挨拶が飛んできた。


「お、水越! おはよ」
「…おはよう」
「…おぅ」


後ろから横に来て並んだかと思えば、あっという間に水越は私たちを追いぬいて玄関へと入って行ってしまう。

その後ろ姿で昨日のことを思い出す。


「―――ねぇ。なんかあったでしょ」


昨日に意識をトリップさせてたら、顔を近づけたみっちゃんがニヤニヤしながら言ってくる。

みっちゃんは本当、こういう話、好きなんだから。

そう心で溜め息を吐いたのはみっちゃんにバレませんように。


「んー…」
「なに? もう! わかってるんだから! 言っちゃいなよ!」
「ご想像にお任せします…」
「バカねぇ! こっちは想像なんてもうとっくに何百回もしてんのよ! 事実を聞きたいのよ、事実!」


バンバン、と背中を叩かれながら水越が消えて行った玄関に入る。

私は微妙な表情のまま、上靴に履き替えた。