雨、ときどきセンセイ。


――3月1日、晴れ。


ついにこの日がやってきた。

いつもよりも少し早めに起きて、支度をする。

鏡を見ると、着なれているはずの制服が、やけに違う。
なにか特別なものに感じられる。


「行ってきます」


少し凛とした空気を感じながら、バス停へと向かう足取りはいつもとなんら変わらない。

3年間通ってきた学校が窓から見えてきて、いつものようにバスから降りる。


校門前で一度足を止めた。


なんだろう。
3年間、それなりに過ごしてきたはずの学校。

だけど、思い出されるのはごく最近のことばかりで。

遠くに見えるグラウンドで行った体育祭とか、校舎裏でふざけながら準備していた学校祭とか。

視界に入る景色の端端に、そういう記憶が多少なりとも蘇るのに。


それでもなお、そんな想い出を掠めるくらいの、強烈な印象。


教員用の駐車場。


そこに視線を向けて目を細めると、鮮明に。
映像だけじゃなくて、音まで脳内で再生されるほどに。


センセイの存在がこんなにも残ってる。