雨、ときどきセンセイ。



あのチョコはどうなっただろうか。


そんなことを、教壇に立つセンセイの姿を毎日見る度考えてたけど。
それも2月も終わりになれば、夢だったかのように考えなくなった。

そう、夢。

センセイと音楽室で会っていたのも、家に来てくれておぶってくれたのも、昔の話をしてくれたのも、雨の中――触れてくれたのも……。

全部、全部、夢だった。


そう思えばいい。


『卒業まで』


自分でそうリミットを設けた。

だから、本当にもうそろそろ。
そろそろ気持ちを整理していかなきゃ。


あのバレンタインの日。

勇気を出してあげたチョコ。


名前なんかなくっても、センセイなら絶対に分かった筈。
それでも今日まで何もなく、こうして変わらない日々だった。

それが、答え。


センセイを見て、声を聞いて、こんな胸を締め付けられてる場合じゃないよ。


もう、卒業するんだから。

この教室も、中庭も、音楽室も、ピアノの音も、バス停も、雨の日も。

……センセイも。