雨、ときどきセンセイ。



「じゃあ水越、頑張ってー」
「……うるせ」


放課後になって教室内ががやがやと騒々しくなる中、みっちゃんが水越の近くに行ってそう言った。


「どのくらいの雑用させるんだろうね。香川先生って」
「さぁ」

「谷川さーん! 掃除当番!」


こそっと私にいたずらっぽく耳打ちしてると、クラスメイトに呼ばれてみっちゃんは「やばっ」と漏らして行ってしまった。


今日はみっちゃん待ってようかな。
金曜日だし、音楽室へ行っても居ないだろうし。


そんなことを一人思って窓際に寄りかかり、外を眺める。

昼からさらに暗くなった空。
教室の蛍光灯の光で、教室内が窓に反射して見える。


こうしてただ教室に残ってるだけでも、もしかしたらセンセイと何かあるかもしれない。


そんな甘く、淡い期待を持つ私はやっぱり子供(ガキ)かな。


ぼーっと窓に映る自分の姿を見ていると、背後に人が立ってるのに気が付いて振り返らずに窓でその人物を確認した。

そしてそれが誰だかわかったのと同時に声を掛けられる。


「吉井」