雨、ときどきセンセイ。


「……なんだよ」


その視線はあからさまだったようで。


「あ、えーと……」
「さっき呼び出されてたのってなんだったの? 珍しいじゃん」


私が答えに詰まっていたら、みっちゃんがさらりと聞いた。
その質問に水越は少し黙ってから口を開く。


「ちょっと、頼まれ事されただけ」
「頼まれ事ぉ? それ、なに?」
「なんでいちいち谷川に言わなきゃなんねんだよ」
「なんで言えないのよ」


ああ、また始まった。
みっちゃんと水越の言い合い。

別に険悪とかじゃないんだけどね、いつも。
じゃれ合いっていうか。微笑ましく私は見てるんだけど。


「なんか言えない事情があるんじゃないのー?」


嫌味っぽくみっちゃんがそういうと、水越はむっとして即答した。


「放課後にちょっと手伝って欲しいことがあるんだってよ」
「えー? なんで水越にぃ?」
「知るか」

「あー、あれかな。今日授業前、最後に席着いてなかったのが水越だったから……そのペナルティ的な?」


二人の会話に口を挟む。
すると、二人が同時に私を見て一瞬止まる。

そしてすぐに、みっちゃんが先に言った。


「ペナルティ? うーん……そう言われれば……?」
「香川先生って、おっとりしてるけど、そういうとこきっちりだったかもね」
「そっかぁ」


今度は水越を置いて、みっちゃんと二人で納得をしてすんなりとその話題は終えた。