グラスをほんの少し水平に回して 硝子の中の綺麗な液体をじっと見つめてしまう。 どこか、切なさを帯びるこの店の香りと涙に似たテイストをもつ、このカクテルと 「トモくんは、一人だよ。いつも」 視線をグラスから外せば こちらにそっと微笑むマスターの瞳に、何とも言えない気持ちになった。 「...そう。きっと、ここへは一人で来たいのね」 他の店とは違うもの。心の疲れを本当に癒してくれるのは、ここだけ。 だから、アイツも... ここへは一人で来たいんだと思う。