「あとは肝心のやつらはスカウトやら引き抜きやらして万全だし、言うことないな!」
「遠藤の客もお前が引退しても来てくれるしな」
「お前の客もだろ」


レンは黙っておれと遠藤の話を聞いている。


「レンはレンのままでいいのか?源氏名」


遠藤がレンに話を振った。


「はい」
「元々源氏名みたいなモンだしなぁ?」
「え?レンて本名じゃないの??!」


レンについては今まで必要以上に誰にも話はしていない。

唯一遠藤だけには出逢った経緯を当時伝えてはいたが、詳しくは聞かれなかったし言わなかった。


レンは何も言わない。

おれの意思で、だ。