山尾は、ボクシングのグローブを付けながら私達から離れたマットの上に行った。




山尾の練習やスパーリングを見るのは、初めてだった。




ボボさんもボクシングのグローブを付けながら山尾の方に向かった。




プロレスなのにボクシングのグローブ?と疑問に思っているとボボさんがいきなり、山尾にローキックを放った。




山尾は、それを受けてパンチをボボさんに放って行った。




キックを主に放つのは、ボボさんで山尾は、キックよりもパンチでそれに応戦した。




バチンとかドスと言う迫力ある音が倉庫に響いた。




これってキックボクシングじゃんと思いながらも私は、二人の動きに見とれてしまった。




高橋君も練習を中断して熱い視線で二人を見ていた。




そのくらいの熱い視線を私に送ってくれよと少しだけ思ったが、山尾とボボさんのスピード感のある動きの方に気を取られた。




ボボさんのキックは、しなやかで強かったがだんだん山尾のパンチが当たり始めて明らかな劣勢になって来た。




二人共強かった。