石沢は、引き締まった顔でリングインして来た。



セコンドには山尾と私と玉田が付いた。



玉田は、永山との試合で鼻と顎にヒビが入っていたが、病院に行くのは後で良いと言いセコンドに付いた。



山尾は、それでこそプロレスラーだと玉田を誉めた。



確かに玉田は、あの試合で一皮剥けた気がする。



高橋君も更に剥けてくれるかしらと考えてしまう……色々な所が……見てないけど……



「やかましい!!剥けた剥けてないって俺は仮性だ!!」



うげ!!またもや口に出していた。




それも山尾が、仮性だとは……気持ち悪い……


ルールは、五分三ラウンド制で肘打ちも有りの総合格闘技ルールだった。




基本は、急所をわざと狙うのは無しで噛みつきも当然無しのルールだった。



前に試合をしていたので基本は何でもありなんだと私は、思った。



試合が、始まった。



お互いガードを固めて様子を見ている。



ボボさんがローキックを放つと石沢は足を上げてそれを上手くカットした。



上手いなと思う。



ボボさんは、間合いを詰めて軽くジャブで様子を見ている。