でも悔しいから
「たぶんね」
なんて言ってみた。
すると、
「そーゆーこと言うわけ。わかった。じゃあ、分かるまでこーだな」
と、既に羽交い締めにされて、全身こちょこちょの刑にかけられた。
ひぃひぃ言いながら、「許してぇー」と涙目で訴えると
「じゃあ、さっきの約束ちゃんと守るよーに」
と、にんまりして解放してくれた。
本当は、知ってる。
私が一番よく分かってる。
どんなときも、ときめくのは
悔しいほどに目の前のコイツだけ。
だから
「勇がちゃんと見といて?どっか行かないよーに」
そしたら、きっと
何の心配もないでしょ?
すると、ニヤリと口角を上げたこの男はらしくもなく右手の小指を私に差し出す。
私も自然に小指を絡ませると
「嘘ついたら、針千本」
なんて、子供みたいに笑った。
そんなの怖いから
約束は守ろう
だからずっと
大人しく、これからも
君だけにトキメクのです。
*end*



