酒樽と見せかけたものの中から、確かにその匂いがした。 「弾薬か……?」 下手に動かすと危ないかもしれない。 しかし、樽はずらりと蔵の床に所狭しと並んでいる。 「こんなに……戦争でも始める気か……?」 身震いがした。 これを、桝屋は運びこんでいたんだ。 そこには確かに、倒幕派の執念と怨念が渦巻いていた。