「響子センパイ、こっちです」 「あ、うん」 店の独特の世界に呑まれてしまっていたが千秋の声で現実に戻る。そして慌てて私を現実に引き戻してくれた千秋の元に近寄った。 カウンターに座っているみたいで横に座れと言うようにポンポンと椅子を叩かれ、座る。 目の前をみると、カウンター越しに一人のお爺さんが立っていた。 「いらっしゃい」 「こ、こんにちは」 お爺さんはこの店のマスターなのか‘いらっしゃい’と私を歓迎してくれているみたいで安心した。