「おいバク。明日きゅうが登校したら詫び入れろよ」

「はあ? するわけねーべや。腐れ縁だぞ。腐ってんだぞ。カビだらけだっつーの」

「お前が1番どでけぇバイ菌だろうがよ。むしろ発生元だろ。腐ってんのはお前だお前。カビバクが」

「思い付くまま罵倒すんのやめてくんね?」


つってもなあ。俺ら3人はいちいち詫びるって関係性でもねえのは確かなわけで。


バンビ先輩がブチ切れた理由って、要はきゅうを女として扱えってことだろ?


いやー無理あんべ。

きゅうに『キモイことすんじゃねえ!』って殴られるのがオチだろ。


でも、一応きゅうも生物学上は女であって。乙女心なんてものを持っていたわけで。それは先日のバンビ先輩のキレっぷりで学ぶ他なかったわけで。


まあ、きゅうが自宅謹慎になったのは自業自得なんだが。


俺自身もきゅうに土下座しろって言っていたことを知ったせいか、なんっかバンビ先輩、俺にも刺々しいんだよな。


乙女心をはなから分かろうとしないっつーか、軽く見てるってのは、地雷だったのやも知らん。


「はあ……金曜日やり直してえ……」

「あ? だよなー。したら俺もっとうまくやったわ」

「てめえは金曜日どころじゃねえから。6歳からやり直してもおせぇくらいだから」

「しゃべってばっかりいないで手も動かす!」


終わらないでしょっ! なんて、箒を床にトンッと叩きつけて怒るバンビ先輩。


なんだあの可愛さ。犯罪級だろ。むしろ俺を犯罪に走らせる可愛さだろ、それ。