「ぶっ……」


と堪え切れず吹き出したのは、虎鉄とバクだった。


笑い事じゃないから! という私の声は、ゴーレムの「ぬさら何してんのや!?」という怒号でかき消された。


お前ら何してるんだ? つまり私も入ってる? ということは心配するふりをして李堵先輩に駆け寄っても、手遅れ?


少し離れた場所でミーアが腹を抱えて悶絶していらっしゃるということは、そういうことなんだろう。


なんか……虎鉄たちと出会ってから、ろくなことがない。


そういえばオリガクは、檻の館って別称もあるんだっけ。


檻なのか館なのか絞ってほしいけど、獣は檻に入れておくべきであり、それが複数かつ一か所に集まったとなれば館と言われる所以にも納得せざるを得ない。


この檻の館には、いったい何人の獣に値する人間が入っているんだろう。


……やめよ。考えると獣に食べられるしかない小動物カテゴリーの私が涙目になる。



片付けをしていなかった私たちは当然、レポート免除権をはく奪された。二度と発行しないとまで言われた。


あとになって、私が李堵先輩から逃げて即きゅうちゃんにぶつかったのは、彼女が『ちょっかい出すな』と助け舟を出そうとしていたからだとミーアに聞いた。


そしてこの日、バクが得意の悪知恵を働かせ、李堵先輩は反省文の提出を。きゅうちゃんは3日間の自宅謹慎処分を申し渡されたのだった。



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