段々と状況がつかめてきた。
相手がゴーレムじゃ、歩が悪いか。
脳裏に気の弱い担任を思い浮かべ、昨日行われたらしい会議も想像する。
優しさと気の小ささを併せ持っている担任のコンコンからは、いつも汗マークが出ている気がする。
私をかばってくれたとしても、ゴーレムの押しの強さに負ける姿が容易に思い描けちゃうしなぁ……。
可愛い生徒のために頑張ってよ!と言いたいけど、私がちゃんと蕪早虎鉄を止めていればな……って、思わなくもない。
それでもやっぱり、とばっちりを受けたと感じるんだけど、『バクを殴ってくれるんならそりゃもう心の底からスカッとする』って思ったのは事実なわけで。
「私が箒を蹴らなきゃ、ガラスは割れなかったんでしょ」
花壇を眺めながら言うと、蕪早虎鉄の視線を感じた。
「仲裁するなら脚じゃなくて口出せってことでしょ」
「……急にどうしたんすか」
何その言い方! いかにも私が『自分は悪いと思ってなかっただろ』みたいな言い方!
まあミーアに言われたときも納得はしなかったけど、
「怒り続けるのも体力使うんだよっ」
今日は散々ミーアにもミヤテンにも愚痴ったし、これから2週間ずっと不機嫌でい続けたら美容に悪そうだし。



