≪今度はトラとやらかしたって?(笑) 停学じゃなくて良かったなー!≫
うわぁ……ミヤテンってば前向き~……あと拡がるのはや~い。うふふ、と現実逃避するために笑うと、「隙ありぃ!」とバクに丸めた処分通知を奪われた。
「ふーっ。スッキリしたぜ!」
「てめぇ……覚えてろよ……」
いい汗をかいたきゅうちゃんと違い、ボロボロになった虎鉄は私の表情を見るなり眉根を寄せた。
「なんすか。まだ自分の心配してるんすか」
「するに決まってるじゃん! 処分延期だよ!? しかも見たでしょ、理由が空白って! 逆に怪しいわよ!」
「まず顔面崩壊しかけた俺に謝るべきだと思うんすけど。冗談抜きできゅうの怪力は俺を凌ぐんすから」
「先に謝ってほしいのは私のほうですけど。やめてって何回も言ったのに聞かなかった虎鉄さん」
「あそこでやめろとか拷問っすよ」
「その結果が私まで巻き込んでの処分延期だよね!?」
バクの手によってもう一度掲示板に張り出された、しわくちゃの処分通知を指差す。虎鉄はそれを見遣ってから面倒そうに溜め息を零すと、私に視線を移した。
「……まあ、こんなことになって悪かったとは、思わなくもない」
ほんと、思わなくもないって程度の謝罪をどうもありがとうございます。
絶対、停学よりはマシだべや、って思ってるでしょ。3日間くらいいいべや、って不服にも思ってるでしょ。



