そのあだ名に恥じない風体に、『やっべえ……』という顔をした1年トリオを始め、動きを止めた全員に緊張が走る。


「清掃時間は終わってねーはずだべ。サボッてんでねえぞ」

「いやいや俺らはただ学年を越えた交流を、」

「黙れバク」


ほんと黙っててバク。ゴーレムがひとりずつ私たちの顔を確認してるんだから、下手なことは言えない。


「彼らは少しだけ、はしゃいでいただけのようですよ?」


さすが越白先生! 生徒をかばう心を持ってる! 言い寄ってくる女子をもれなく全員愛しちゃうだけある!


「んだがや。こいつらなんぼかだってもサボり癖なおんねーんだでば」

「……すいません僕、都会育ちなもので」


ぱあっと顔を明るくした私の表情筋に今すぐ謝れ越白。


こいつら何回言ってもサボり癖が直らないんですよ的なことを言ったんだと思いますけどまさか私まで入ってないよね入ってるわけがないよね。


「ぬさら掃除ほっぽって、はしゃいでたわけであんめな」

「…………」


決め付けにかかっているのが腹立たしいけれど、図星と言えば図星なので言い訳できない。


本来、総指揮官である私と虎鉄とバクは今頃最終チェックをしていなければならないはずで、一カ所に集まっていていいわけがない。


しかも私とミヤテンはトイレットペーパーを持っている。いかにも掃除の途中ですと言っているようなものだ。