「ええっ!? いいんすかああああ!? さぁっすがバンビ先輩!! 話が分かるううう!」
黙れ!って思っても時すでに遅し! 思わず耳を塞ぎたくなるほどの大声に虎鉄たちが振り返るのもやむなし!!
「バンビ先輩愛してる~う」
「うわあ。喜び勇んで地の果てまで蹴飛ばした~い」
満面の笑みに完璧な作り笑顔を返していれば、
「ふたりで何してんのわ?」
虎鉄が振り返り声をかけてきた。
訂正。あっけらかんと独り言を呟いた。
今さら気付いたんだからそう呟く他ないでしょうね。虎鉄が切り上げないと私たちも帰れないなんて現在進行形で頭にないでしょうしね。
なんなの? 浮かれてるの? 元カノに会って鼻の下伸ばしてきゃっきゃうふふしちゃったの?
へえそうですか。昨夜の私への当てつけですかね。
「おいトラ。てめぇがちんたらしてっから、バンビ先輩が嫉妬に狂って般若のように」
「あーーーっ!! そうだ今日おつかい頼まれてたの! ね! バクも寄りたいところあるんだよね!」
「ちょっと遮るとか無しっすわバンビせんぱ~い。俺、あとはヨロシク☆ってミーア先輩に頼まれてるんすからぁ」
そんなことだろうと思ってたけどね!? そんな相互関係は今この瞬間をもって破綻! ハイ解散!
パンッと心の声に手を叩いてしまい、私は自然と笑みを浮かべて虎鉄やマネジへ向き直る。
「うるさくしてすいませんハンド部のみなさん。私でよければ片付け手伝わせてくださいっ」



