やっと着いた家の前には―――。
万桜がいた。
制服姿でちょこんとしゃがみこんでいた
。
制服姿、久しぶりに見たかも。
そんなことを考えていると、気付いた万
桜が顔を上げ、立ち上がり、そしてふわ
りと笑った。
「………。」
「お帰りなさい。」
何事もないように、変わらない笑顔。
「今日学校行って来たの。
お別れの挨拶してきた。」
あぁ、悟志が言ってた。
「………。」
「……明日、向こうに行く。」
えっ?!
「色んな手続きとか、あるみたいで。」
転校の話しが出てからまだ一週間もたっ
てないだろ。
「ママたちはまだ後で出発するんだけど
。アタシは早く慣れる為にも、早めに行
った方がいいって…。」

