【番外編】サッカーボールと先輩とアタシ



週末、金曜日。

ぐったりと疲れた身体をひきずるように
、家路に向かう。

隣には万桜じゃなく、悟志がいる。

あれから悟志は何も言わない。

俺に呆れたのかもしれない。

今はそれでもいい。

今はまだ。

「じゃあな。」

軽く手を上げ、悟志は駅の方向に向かう。

「ああ、お疲れ。」

ぼーっとその後ろ姿を見つめ、歩き出す。

今はいいんだ。

理解されなくても。

何も言われなくても。

だけど、ごめんな悟志。

お前だけが、真っ直ぐに向かってきてく
れた。

誰も何も触れず、壊れ物を扱うみたいに
俺に気を遣っている中で、悟志だけが。

…時間が欲しいんだ。