「……!」 その変化に気づくのは、体の自由がきかなくなった当人。 「ば……っ!」 身動ぎもできない己が体を藤馬は目端だけで捉え――“動き出し始めた影も見る”。 右手に持っていた扇が砕けた成れの果て、他者による呪術の強制終了は術者へのしっぺ返しへと変貌する。 「まさ……っ」 呪い返し――! 「っ、クソ雑魚があぁぁ!」 全てを察した藤馬の喚きは、己に浴びせるようでもあった。 油断なんかしたつもりはない。驕ったつもりもなく、“本気”で挑み――だから、認めたくなかったんだ。