中指斬残、捌断ち儀



帰る足がこちらに戻る。飲みきれていない玉子焼きの欠片が藤馬さんの声と共に飛んできた。


五十鈴さんは威嚇モードで僕を庇うように前を出るが、ちょっとだけと藤馬さんと向き合う。


「今までのことがあるから家族です。だいぶ前に言った言葉の通り、僕は藤馬さんが好きですよ」


五十鈴さんの次に、と付け足しても、「ありえねえ」と怨嗟のように藤馬さんは繰り返した。


「渉、もうこんな奴と付き合うのはやめろ……!お情けでこいつのそばにいたいと言うならば、ますますもってやめておけ!家族だの友達だのできないのはこいつの性格上、当たり前のことなんだからな!情けなど不要だっ」


「確かに情けなんかいらねえが、なんか腑に落ちねえ言い方すんじゃねえよ!」