藤馬さんの手が離れた。距離を取る五十鈴さんだが、唇に僅かな血がついていた。
五十鈴さんが怪我したのかと思ったが、いてーと手のひらを眺める藤馬さんで掴む手を噛んだのかと知る。
「シシッ、図星か?だよなー、言い当てられたくねえよなぁ。世話焼きお節介な奴には可愛い可愛いガキが欲しくて堪らねえ、だからこそ、“ちょうどいいとこにいたガキを貰えてハッピーなんだろ”?」
「藤馬っ」
平手をあげた五十鈴さんがまた捕まった。
護身術の一種のようで、向かってきた平手の手首を返し、五十鈴さんを真逆に方向転換させる。
身動きが取れなくなった五十鈴さんを背中から抱くようにして、藤馬さんが体を引き合わせた。


