「……!」
右目の瞳孔が開いたのと同時に、五十鈴さんの手が力をなくして脇に下がる。
「そーだよっ、そのとおーりっ。てめえの“素性”を忘れんなよ、死神ぃ!人間とは違う、人間社会に出ることができねえ化けもんが人間育てるなんてできやしねえ。
あー、でーも、今まで素性を忘れてないからこそ、家族らしいことができなかったんだよなぁ」
舌を出した藤馬さんが僕に視線を向けた。
「死神としての役割もそうだが、生きている人間とは関われねえこいつら。わたるんは別としてよー、あのババアは未だこの女のことを知らねえんだよなぁ。
俺のような真似はできないにしても、鉢合わせなかったのは“こいつの作為だ”。ババアに会いたくねえってこいつは、“逃げたんだよ”」


