中指斬残、捌断ち儀



「あんたは呪われているのよ!悪い気を浄めない内に、家に入らないで、いいっ、分かった!?」


分かっていないけど、頷くしかなかった。


そんな様子を見た伯母さんが、まったくとぶつぶつ言いながら、バケツを置き、靴箱から何かを取り出す。


靴箱からなら靴であるべきだけど、まったく関係ないものを入れていたらしく、単に、『悪い気を入れないがための準備』たるそれは、一枚の紙に教えをしたためた経典だった。


長方形に折り畳まれた紙を、本のページを捲るかのように丁寧に開いていき、そこに書かれていることを伯母さんは読んでいく。


後々理解し考えたことだけど、伯母さんのこの経典はどこの宗派にこだわっているわけでなく、その日その日でまったく違うものになっていた。