エゴイストよ、赦せ

携帯電話が振動する。

僕はディスプレイを確かめてから、通話ボタンを押した。


「もしもし」


「ごめーん。今、駅に着いた。どこにいるの?」


「そっちに行くから待ってて。そう、いつもの場所」


電話を切り、ジーンズのポケットに戻す。


煙草を携帯灰皿で揉み消した。


一度目を瞑って、頭を切り替える。


「さよなら、ローサ」


僕は、駅に向かって歩き出す。


空にふわりと浮かぶ白い雲は、形を変えながらゆっくりと流れていった。








                  [完]