「さ、寒いですね」
晶が沈黙に耐えられずに一言真田に投げかけると腕時計を見た。
既に予定の時刻の筈なのにどうやら路面状況のせいか少し遅れているらしい。
すると急に晶のかじかんだ赤い手が何かに包まれた。
「さ···なだ、さん?」
「少しはあったかいかな」
右腕が真田の左腕に触れているその先は、晶の握りしめた右手を上から真田の熱い手が覆うようにしていた。
不意の行動に驚いて晶は真田を見上げた。
するとやっぱり笑顔で返されるだけで、晶は潤んだ目で見つめ返すしか出来ずにさらに手を強く握りしめていた。
真田の手を受け入れることも、拒否することもできず···
晶が沈黙に耐えられずに一言真田に投げかけると腕時計を見た。
既に予定の時刻の筈なのにどうやら路面状況のせいか少し遅れているらしい。
すると急に晶のかじかんだ赤い手が何かに包まれた。
「さ···なだ、さん?」
「少しはあったかいかな」
右腕が真田の左腕に触れているその先は、晶の握りしめた右手を上から真田の熱い手が覆うようにしていた。
不意の行動に驚いて晶は真田を見上げた。
するとやっぱり笑顔で返されるだけで、晶は潤んだ目で見つめ返すしか出来ずにさらに手を強く握りしめていた。
真田の手を受け入れることも、拒否することもできず···



