雪が降る町~追憶のletter~



「秘密···」


自宅に帰った晶は一人ベッドに寄りかかるようにして床に座りそう呟いた。

テーブルの上の携帯電話。
今朝自分は会社でそれを手にして何を期待してたのだろうか。


そして今、連絡を待っているのは快斗だろうか、それとも····真田だろうか。


しばらく恋から遠ざかり、未だ15の頃の淡い恋を捨て切れずにいる晶には難題もいいとこで、頭をかきむしると思考回路がパンクしてしまい、その場に寝転がってしまった。


(あぁ、あの日の迷いのなかった私はどこへ···)


そうしていると、テーブルの上の携帯が振動と共に音を上げたので晶は心臓が飛び出るほど驚いて、2¸3呼吸を整えてから携帯を手に取った。





「もっもしもし…」