雪が降る町~追憶のletter~

「どうかした?」

その笑顔を自分に向けられると眩しくて直視出来ない。
晶は頬を薄らと赤くして慌てて俯き、手を軽く横に振った。


「いえ、すみません。なんでも」
「そう?」


少し下に移した視線の先には先程真田が出てきたお店の扉があった。
そしてその扉がまた開いて男女二人が外に出てきた。


(ランチデートかな)


そんなことを無意識に考えて視線をそのカップルの顔へと上げると同時に晶はこの上ないほど目を見開いてその顔を凝視した。


「か···!!!」
「晶?!」


それは今日初めて会う快斗だった。