雪が降る町～追憶のletter～

店を出て社に向かう途中にもたくさんのレストランやカフェがあってそれらを2人で眺めて次はどこへ行こうか、なんてことを話しながら歩いていた。

すると晶が丁度真横のお店を眺めていたら、その扉が開いてスーツ姿の男性が一人店を出てきた。


「結城さん！」
「さ、真田さん」


それはたまたま営業先から真っ直ぐに食事をとって、これから社に一時帰社するところの真田だった。


「と、都築さん」
「また私をついでにして！」


腕を組んで怒った素振りをみせるありさを、晶と真田は可笑しそうに笑った。

真田の笑顔もまたさわやかで、恋心などなくてもそれを間近で見せられるとドキっとしてしまうのは女子として仕方がないことだろう。

そんな真田に少しの間、視線を向けると真田も晶の視線に気が付いた。