その日、俺は決めた。
俺は、女で―――晶で自分の人生を決めたりするような男にならない。
だから、俺は俺の行きたい学校(トコ)へ行く。
例えそれが事実上の別れになるとしても。
そしてそれと同時にもうひとつ決心した。
どうせ離れるのなら、その前に勇気を出してみよう。
壊れるかもしれないという不安を振り払って。
俺の望む未来に変わるかもしれないという期待を持って。
――後悔だけは、なるべくしないように。
そんな一大決心が鈍らないうちに俺は姉貴の部屋に行った。
姉貴が不在の部屋にずかずかと侵入して、俺は机の引き出しを開けた。
そして一枚の便箋と封筒を拝借すると、そのまま自分の部屋へと戻って行った。
そして机に向かって頭を抱える。
何度も何度も頭の中で推敲して、15年間で一番丁寧に、綺麗に、文字を綴った。
ありったけの、想いを乗せて―――。



