雪が降る町~追憶のletter~


「よぉ、晶」
「え?快斗!」


俺は珍しく帰りに晶のクラスに行って声を掛けた。

朝はほとんど毎日一緒だけど、帰りはまちまちだった。
だからこんな風に迎えに行くようなことだってしたことないから、晶自身も物凄く驚いたんだと思う。


「ちょっ…な、なに?」


晶が少し周りを気にして俺に近寄ってくると、小声でそう聞いてきた。


「なに?俺となんかあるって思われたらヤバイ男(やつ)でもいんの?」
「…ばっ…!そんな人いないよ!」
「――冗談だけど」
「……!!」


相変わらず俺の一言一言に翻弄される晶が面白い。


「なんもないなら一緒に帰ろうぜ」


俺はさらりと晶に伝えて背を向け歩き出した。
晶はやっぱり驚いた目を向けていたけど、無言で鞄を取って俺の後を追ってきてくれた。