雪が降る町~追憶のletter~



「お待たせ!ごめんね、本当」
「いえ。大丈夫ですよ」


コーヒーのおかわりを2度ほどした時に真田が息を切らして店内に入ってきた。
場所を考えていなかったが、丁度今、晶はコーヒーを貰ったばかりだし、真田も少し呼吸を整えた方がよさそうだったためにそのまま真田が晶の席についた。


「今日は、これから何かあるの?」
「あ、はい。ちょっと約束が」
「そっか」


少しして真田のオーダーしたコーヒーも運ばれてきて2人の前に同じカップが揃った。
晶のコーヒーからはもう湯気が出ていないが真田のコーヒーからはおとしたてだからかいい香りと共に湯気が真田の顔へとゆらりと上がっていく。


「まさか、こんなに早く返事もらうことになるとは思わなかった」


湯気に目を細めてカップを口に近づけながら真田が言った。