雪が降る町~追憶のletter~

地下街はバラエティに富んだ店が立ち並ぶ。
地下鉄の駅3駅分の距離に、隙間なく立ち並ぶ店内はどこもかしこもクリスマス色一色だった。


「クリスマス···」


晶は目を輝かせてクリスマスの雰囲気に酔いしれる。
大地と快斗はそんな晶を見た後目を合わせて、小さく笑っていた。


「晶ちゃん、好きなとこあったら見ていーよ」
「え?ううん、いいよいいよ!」
「好きなんでしょ?」
「···好き」


なんだか認めるのがコドモっぽいかと照れながら控えめに答えた晶の頭に大地がまたぽんぽんと手を置いて笑う。

そんな自然にした行動は、晶にとっても特に気にも留めないことだったが快斗の視線は何か違うものを帯びていた。

それに気付いたのは晶じゃなくて大地だった。