夏。 限りなく広がる青い空、大きな入道雲 白い軍服を着た青年は今年も可愛い少女に出迎えられた。 少女はもう今年十五だ。 少女は【約束】を見事に破ってくれた。 『こんな風に誰にも触れないで、触れさせないで』 可愛いくて仕方のない少女、 狂気を孕んだ自分の感情、 ああ言ったのは、兄と慕うような少女にとっての、兄としての感情では無かった。 (もう近くにいては、いけないのかもしれない)