大体にして

なんでこんな気持ちを抱き始めてしまったのか…




それは…





半年ほど前にさかのぼる。










「諒子、あの男本当に諒子が好きなのか?」


自分の部屋に入ろうとした時、
ふいに要に聞かれて諒子が顔を歪めた。


要とはくだらない冗談を言い合うこともなかったから

こんな恋愛話なんか初めてで…


戸惑って固まっている諒子に要が続ける。



「あんな軽そうな男のどこがいいわけ?」


その時付き合ってた彼氏は…


1歳年上の名門私立の高校生。

2ヶ月前にナンパされてそのまま流れで付き合って…


3日前に初めて家にあげた。



「どこ…だろ。

でもカッコいいし、友達にも羨ましがられるし…」


「そんだけ?

ってゆうか諒子がそんなんじゃ相手もその程度しか想ってねぇよ」


確かに、好きかどうか聞かれれば微妙な感情だったから

だからこそ図星をつかれてカッとして…


しかも、恋愛なんかしばらくしてなさそうな要に言われたのがまた悔しくて…



「要くんこそ、彼女大切にできるの?

そんないつもクール気取ってたって女の子は満足しないんだからねっ」


諒子が口を尖らせながら言うと

要は珍しく諒子の目を真っ直ぐに見てきて…



「…本気で好きになったらめちゃくちゃ大事にする。

絶対手放したくないから。


…その子のためなら何でもするよ。


オレならね」



普段の要からは想像もできないような言葉が急に飛び出してきて…


諒子が勢いよく自分の部屋に駆け込んだ。





なにマジになってんの…?





要の真剣な表情がやけに頭に残って…


諒子が首をぶんぶん振った。




要の言葉を…

真剣な目を頭から振り落としたくて。




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