学食の三階。

一応公式名称『カフェテリア』は、中国語選択女子の溜まり場になっている。

仏語でも独語でも伊語でも、はたまたスタンダードな英語でもなく、アンチスタンダードの王道をいく中語必修。

そこはかとなく風変わりな女子が集う様は、ちょっと異様で、他の学生は遠巻きにするのが常だった。

「ぜいたく」

その、御用達カフェテリアの一角を占拠し。
鼻を鳴らして唇を尖らせるのが、あやせ。

「仕方ないことだよ。焦らずに付き合っていけば好いじゃん」

そうたしなめるのが、穂波。

ふたりは文佳の友達で、文佳の左右の肩の天使と悪魔みたいな子たちだ。
あやせが悪態を吐けば、穂波が日和見にさえずる。

「フミちゃんはタカトーくんが好きなんでしょ? もちろんタカトーくんはフミちゃんが大好き。ならゆっくりやっていけば、全然問題ないね」

純粋培養100%の笑みで穂波が云う。天下無敵の笑顔だ。すごい。

「好き、かあ…」

わずかな、違和感。