練習着に着替えた桐さんが出てきて、大きく手を振っている。 俺も同じくらいの大きさで返す。 「桐さーん! やっぱカッコいいです」 『!』 ……言った瞬間、館内にいた女子全員にすごい眼力で睨まれた。 桐さんが爆走していた連れが俺だと、もはや隠しようはないらしい……。 そんな目線も気にせず桐さんは、ボールを抱えて、とてとてと駆け寄ってきた。 「来てくれたんだ」