「俺、今日安里んとこに用あるから、また明日な」 「そーなん?」 「わかった。じゃあな」 快活に手を振って、三人は校舎へ向かった。 「……彼方さんて、本当に二人が大事なんですね」 「もちろん」 「でも……今の、って言うか……氷室くんたちは知ってるんですか?」 「ひむは知ってるよ。でも恋理は知らない。本当はどっちも知らなくていいんだ。二人を護るのは俺の役目だから」 「……氷室くん、何も言わないんですか?」